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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)



「それで、するの?」

「…引っ張るなぁ…」

「いいじゃない、それくらい」

「…うーん……まぁ…偶に」



一歩も退いてくれなさそうな雰囲気のリナリーに、仕方なく折れることにした。
そう勿体振る話でもないし。



「へぇ…本当に神田、男でも気にしないんだ…」

「だから言ったでしょ?問題ないよ」



何事も順調に進んでる。
男であって不自由していることは、今のところない。



「じゃああっちは?」

「あっち?」

「夜の営み」

「ぶっふぅ!」



ち、ちょっと!誰!リナリーにそんな言い方教えた人!思わず噴いた!
と言うかコムイ室長とリーバーさんが聞いたら卒倒するから!



「り、リナリーさん?」

「あっちもできちゃうの?神田って」

「ま、待て待て待て落ち着いて。此処、外。今、昼!」

「私は落ち着いてるわよ。キョドってるのは雪でしょ?」



そりゃキョドりたくもなるわ!
汚れなき美少女の口からそんな質問くると思わないから普通!



「ねぇ、どうなの?」

「さー帰ろう!もう陽が暮れるネ!」

「あっ雪!逃げないでよ!」



いえ逃げます。
こんな人通りの多い中でそんな話できるはずがない。
というかそもそも話すネタがない。

だって男になってから、ユウとそういう行為には及んでないし。

よって話し不可!
はい撤収!



「リナリー、そういうこと間違っても私以外の男に言ったら駄目だからね」

「言わないわよ、雪だから聞いてるの」

「それ聞いて安心した。バク支部長とか聞いたら大量出血で死ぬから」

「? なんでバク支部長なの?」

「…御愁傷様、支部長」



茜色に染まりつつある空に向かって合唱した後、リナリーの手を引いて帰路に着く。
思わぬ質問に顔は火照ってしまったけど、そこまでだ。
この小さな手の温もりに触れていたいって欲はあっても、ユウの体に触れたいって欲はあまりない。
男同士でそういう行為をする想像がまるでつかないのも理由の一つだけど…なんだろうな。
今は、ユウと組み手してる方が楽しい。
そんな健全な思いが強い感じ。
そう自身で結論付ければ、気持ちは割とスッキリした。

さぁ、明日は何をしようかな。









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