第58章 ストック
Sho side
潤が示した公園は
一番俺達の想い出が詰まっている場所…
初めてのデートの帰りに寄った夜景の綺麗な公園
俺たちがこの家に住む前に
ずっと一緒に居ようと誓った教会のある…
斗真や健くんと初めてダブルデートした桜の綺麗な場所
翔「いいよ…今度,休み合わせて行こうか…」
潤「うんっ…ありがとっ」
俺に向けてあどけない笑顔を向けてくれる
その笑顔は前と何も変わってなくて…
翔「よしっ…じゃ…寝よっか…」
その天使みたいな笑顔を
抱きしめたいとか
こんな風に笑い合えて嬉しいとか…
いろんな感情を誤魔化すように
わざとらしく立ち上がった
潤「え…片づけないの…?」
翔「えー…あー…」
…お酒も入ってるし…面倒くさい…
なんて思ってると
潤が率先して片づけ始めた
潤「どんどん面倒くさくなるんだから,今…ちゃんと片付けようよ」
広げた服をきれいにたたみ始める
翔「あ…はい…すいません」
怒られてるのに
そのやり取りも
前に戻ったみたいで
嬉しくて…顔が緩む
一緒に座って服を畳んでいると
潤「もー…翔くん…畳み方っ…変…っていうか…丸まってるっ…」
いつものように俺から取り上げて
全部畳んでくれた
潤「翔くんはこっちの小物片づけてね?…写真は…ここ?」
てきぱきと片づけてくれたから
あっという間に綺麗になった
翔「ありがと」
潤「いーえ……寝よっか…」
2人で並んで歯磨きをして顔を洗って
それぞれに着替えた
潤「ねぇねぇ…このTシャツ…もともと翔くんの…じゃない…?」
翔「え…あ…うん,そーだよ…」
まだ別々に住んでた頃から
潤が俺の家に泊まる時に必ず着てて
お気に入りだからそのまま潤のものになった
潤「やっぱりそっか…うん…なんか思い出した…」
嬉しそうに自分の着たTシャツを眺めながら寝室に入っていった
翔「…おやすみ…」
その背中に声を掛けると
潤「え…??」
きょとんとした顔で振り返る
翔「え…?」
思わず俺もポカンと潤を見て
しばらくお互い間の抜けた顔で見つめ合っていた