第58章 ストック
Jun side
翔くんが見せてくれた写真も
俺があげたらしい物も
お揃いで持ってるらしい物も
全部見るには
すごく時間がかかりそうなくらいたくさんあって
俺は…どれだけの記憶を落としたんだろう…と思った
でも話してくれてる翔くんが
すごく楽しそうで…
だから俺も嬉しかった
潤「ねえ…俺たちって…その…何年目…?」
翔「ん?今年で…十三年目だよ」
時折俺が聞くことにも
柔らかい笑顔で答えてくれて…
そんな話を聞きながら
翔くんのタブレットを弄って
いろんな写真を見ていくと
なんとなく…
ここで…そういえば翔くんリフト怖がってたな…とか
断片的にだけど思い出すこともあった
潤「あ…」
そんな中見つけた…一枚の写真
それは大きめの公園の写真で…
普通の写真だけど…すごく…幸せな感覚がした…
俺が声をあげると
翔「ん?」
と翔くんも俺の手元を覗き込んできた
潤「これ…どこ?近い…?」
翔「ああ…これは…横浜にある公園だよ」
写真の日付を見ると
たぶん…つい最近に撮られたもの
それなら…まだ…この公園はあるのかな…
潤「ここ…行きたい…」
そう言うと
翔「え?」
びっくりしたような翔くんからの視線を感じた
潤「よくわかんないけど…行ってみたい…連れてって…?」
同じ公園で撮られたらしい何枚かの写真を
何度も見ながら翔くんに言った