第58章 ストック
Jun side
目は…覚めていた
でもリビングに行けば翔くんと会ってしまう
でも…昨日のことを思い出すと怖くて
そしてきっと…翔くんを傷つけてしまったから…
どうすればいいかわからなくて
ベッドに座ったまま動けなかった…
時間になったら…
きっと翔くんが声をかけてくれる
傷つけておいて甘えるのなんて最低なのはわかってる…
でも…自分からここを出る勇気が出ない…
ぼーっと思考に沈んでいたら
コンコン…とノックの音が聞こえて翔くんの声がした
反応しなきゃ…と思うのにできないでいると
ゆっくりと扉が開かれた
座ってる俺を見た翔くんが
翔「あ…」
と小さく声をあげて
翔「ごめん…起きてたんだね…」
そう言って眉を下げた
潤「あ…うん…ごめん…ありがとう…」
その顔を直視できなくて…
それだけ言ってゆっくりベッドから出ると
翔「俺リビング行ってるから…」
翔くんが俺に背を向けて寝室を出ていった
思わず「待って…」そう言いそうになって口を噤んだ
今から着替えるのに
肌を見られるのも怖いのに
待ってもらってどうするのか…
一定の距離以上寄り添うこともできないのに
そんなこと言ってどうすればいいのか…
でも…背を向けられたのが…悲しかった
処理しきれない気持ちを抱えながら
翔くんの車で一緒に打ち合わせに向かった