第58章 ストック
Sho side
和「…翔くん…」
潤の手を握ったまま
いつまでも傍に立って寝顔を眺めていると
ダイニングテーブルからニノが俺を呼んだ
和「俺…夜から収録だから…そろそろ出るけど…」
翔「あ…あぁ…うん…」
名残惜しくはあったけど
潤の手を離してブランケットの中にいれた
和「…とりあえず…ひとやま越えたかな…?」
翔「うん…ありがとう…助かった…」
頭を下げると
やめてよ…と肩を叩かれた
でも…ニノが居なかったら…
皆が来てくれなかったら…
全部崩れて壊れて…
どうなってたかわからない
希望を繋げてくれたのは
間違いなくニノたちだから…
和「我々はひとまず…家に帰ろうかな…と…」
翔「うん…ごめんね…忙しいのに…」
和「そーゆー水臭いこと言うと怒るよ?」
ニノはニッと笑って俺を睨んだ
和「いつでも呼んでよ…俺は…あの時電話もらって嬉しかったよ…」
じゃーねー…と笑って手を振って
ニノは家を出て行った
家族とはまた違う…
でも友達とかでもなくて…
支え合える存在
寄りかかるんじゃなくて
頼るんじゃなくて…
信頼の上で成り立ってる関係
絆…なんて安っぽい言葉に聞こえるくらい
皆との心の繋がりが嬉しい…
潤との繋がりがいきなり途絶えても
俺がなんとか立っていられるのは
まぎれもなく皆のおかげなんだ…
しばらくして
潤が起きる前に雅紀も智くんも帰ってきて…
2人も一度帰ると言うから
潤が起きるまでは…と
出前を取って二人にふるまった
雅「そっか…全部話せたんだね…頑張ったね,翔ちゃん…」
雅紀はまた涙ぐんで
でも俺に明るい笑顔を向けてくれた
智「すぐに全部思い出すよ…嫌なことも思い出すかもだけど…翔くんが居れば松潤は大丈夫だよ…」
俺が保証する…とまた根拠のない安心を智くんはくれた
なぜだかその声が一番安心できる自分がいる
智くんが言うなら大丈夫…
それが俺たちの根拠のない信頼
でも強い絆なんだと思う