第58章 ストック
Jun side
過去に何があったのかも…
事故の日のことも…
その後どうなったのかも…
全部聞いて
部分的に頭の中にあったものが
少し繋がったような気がした
とりあえず…
このことが世間に出ないみたいで安心した
これ以上俺のことで
嵐に迷惑かけたくないから…
何か思い出した?とニノに聞かれて
潤「昨日よりは……」
心配してくれてるのがわかるから
曖昧に笑って答えるしかできなかった…
和「そっか…」
翔「ゆっくりでいいよ…」
優しく笑ってくれてはいるけど
翔くんの瞳が苦しそうで…
潤「ごめんね…」
でも謝るしかできない…
まだ…どうしても思い出せないし…
付き合ってたとか…そういうことを考えるのは…怖い
テーブルの下で手を握り締めると
翔「謝ることないよ…疲れただろ?少し休もう?」
そう言ってソファに横になるのを促されたから
それに従って寝転ぶと
ブランケットが躰にかけられた
潤「翔くん…」
翔「…ん?」
ブランケットから腕を出して伸ばすと
それに触れないように翔くんが移動してくれた
でも…そうじゃない…確かめたい…
潤「手…触って…?」
そう言うとびっくりしたように見られて
ゆっくりと手を伸ばしてくれた
きゅっと指を優しく握るように包まれて
じっと見つめられる
潤「これは…平気みたい…ありがとう…」
そう言うと翔くんの瞳が潤んだように見えたけど
眠気が襲ってきて瞼が落ちた