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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第58章 ストック


Sho side

自分のことだから…ちゃんと全部知りたい…

そう言う潤のコップを持つ手は震えていて

昨日の様子を見てしまうと
どうしてもすんなり話すのは気が引けた

でも

潤「大丈夫…もう…なんとなくは思い出してるから…」

潤は俺としっかり視線を絡めて
逸らすことはなかった

翔「わかった…」

俺は昨日皆に話をした10年前のことと
専務から聞いた事故の内容を
全て潤に話した

翔「あいつは…誘拐する為に車で近づいて…車に接触した潤をそのまま車に運び込んだ…」

車の話をすると
潤の顔が痛みに歪む

和「潤くん…」

潤「っ…大丈夫…うん…その車…なんとなく…覚えてる…」

はぁっ…と苦しそうに呼吸を繰り返した

翔「…ゆっくり深い呼吸して…」

触れないからゆっくり落ち着いた声を心がけて伝えた

潤の瞳から涙が次々と流れる

潤「…っ…ふ,ぅ…っ…俺…車の中で…そいつに…っ…はっ…ぁっ…」

翔「潤っ…」

伸ばし掛けた手を
慌てて握って抑えた

震えて苦しむ潤を
見ていることしかできない…

涙を拭うことも抱きしめてやることも…

守るって誓ったのに
助けに駆けつけることもできなくて…

もとはと言えば10年前のことも
俺のせいで…

翔「…ごめんな…」

和「翔くん…」

ニノが潤に伸ばせない手を
俺の背中に添えてくれた



少し潤が落ち着いてきて
ニノが入れてくれた紅茶を三人で飲んだ

翔「あいつは警察に逮捕されて…たんなる事故じゃないって立証されつつあるから…それ相応の処罰はうけるって…もう二度と潤には近づかせない…」

潤「マスコミは…」

翔「上が全部握りつぶした」

和「その辺は…大丈夫でしょ…こっちは被害者だし…」

そっか…と潤はひとつ溜息を吐いた

和「…何か…思い出した…?」

翔「ニノ…」

身を乗り出すニノを俺が止めると
潤はふっ…と曖昧に笑った

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