第58章 ストック
Jun side
松本くん…
暗闇の中で…まだ声は聞こえる…
でも
昨日までとは違う…
松潤…
潤くん…
大切な人たちの声と
潤…
落ち着く…安心できる声も聞こえてきて
真っ暗闇の中に小さな光が
いくつか浮かんでる…
そんな感覚がした
ふわっと髪の毛を触られた感じがして
潤「ん……?」
重たく感じる瞼を持ち上げると
翔「あ……起こしちゃった…ごめん…」
そう言いながら慌てて手を離す翔くんが目の前に見えた
翔くんが触れてたと思うとこに手をやると
潤「…冷えピタ…?」
冷たくて…気持ちよかった
翔「微熱ぽいから貼っておこ…?ちょっと疲れたんだね…」
そう言いながら俺を見下ろす瞳を見ても…
昨日みたいに怖さを感じない
触られるのは…まだわかんないけど…
ちょっとの変化が嬉しくて…
でもそれと共に
昨日聞いた話を思い出した
萩原さん……
その名前を浮かべるだけで怖くて
ポロポロと涙が零れてくる…
翔「潤…」
名前を呼ばれながらティッシュが渡されて
受け取る瞬間に少し…手が触れ合った
ピクン…と小さく躰は反応してしまったけど
でも俺の中で…怖さはなかった
少し触れるくらいなら怖くなくなったことが嬉しかった
潤「みんなは…?」
喉が乾いて掠れる声で聞くと
翔「智くんと雅紀は仕事だけど…ニノはいるよ」
翔くんがそう言うのと同時に
和「潤くん…おはよう」
ニノが水の入ったコップを差し出してくれた
ゆっくり起き上がってそれを飲んで…
潤「昨日の続きが…聞きたい……萩原さんは…どうなったの…?俺は…何があったの…?自分のことだから…ちゃんと全部知りたいんだ…」
そう言うと
翔くんとニノが困ったように顔を見合わせた