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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第1章 きみどり scene1


暫く大野さんの胸に収まってみたものの、やはり落ち着かない。

「やっぱり帰…」

「もーいいから。黙ってろ」

ぐしゃぐしゃっと頭を撫でられる。

「あんね、なんか俺、眠りのアロマが出てるの」

「はぁ?」

「いろんな人に言われんの。俺と居ると眠くなるって」

「あなたがいつも眠そうな顔してるからじゃないの?」

「ちーがうって。なんかね、俺の匂いが眠くなるらしいの」

思わず見上げた。大野さんの顔。
とっても気持ちよさそうに目を閉じている。

「だから、俺、友達から眠りのアロマって呼ばれてるの。むふふ」

「眠りのアロマ……ぶぶ……」

「笑うなやー。むふふ」

「だって……ぶぶぶ……」

ひとしきり二人で笑いあった。

「だからさ、かずもこうやってたら眠れるよ。きっと。あんなハーブ飲まなくってもさ」

また大野さんの手が俺の頭をくしゃくしゃっと撫ぜた。

そっか、大野さんがそう言うなら眠れるかも。

なんか心にストンと落ちた。

落ちたら知らないうちに、大野さんのいい匂いに包まれて眠ってた。

あんな狭いソファの上に、大の男が二人寝てたのに俺は眠りに落ちた。

昏々と眠って、何度大野さんが起こしても起きなかったそうだ。

それなのに。

「ん……あ…れ?」

俺が目を覚ましたのは、大野さんの腕の中だった。

まだ俺を胸に抱いてくれてたの?

「おは…よ……?」

大野さんは俺を胸に抱きながら、なにかスケッチを描いている。

「なにしてんの?」

「んー?かずの寝顔描いてる」

「ばっ!やめろよっ」

「うっそ」

やられた…いつもの冗談。

ふてくされながら俺は再び大野さんの胸に戻った。
心地いい香りが俺を包む。

いつの間にか、大野さんのベッドに移動していた。ふかふかのお布団まで掛かってる。

俺の格好はそのままなんだけど、大野さんは白のTシャツにGパンになっていた。格好が変わってるのに、やっぱりいい匂いがする。

俺を胸に抱いたまま、手はスケッチブックと鉛筆を持って、ずっと絵を描いている。

「かず、今日仕事休みだよね?」

「うん。今日はオフ」

「ふーん。じゃあ今日はゆっくり
してけば?」

「いや、そんな訳には。あなた作品作んなきゃいけないんでしょ?」

「いーよ。別に」

事も無げに言っているが、なんだか言葉に力がある。
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