第4章 navy blue scene1
「松潤…」
「ん…?」
「寝る?」
ドキっとした。
別の意味に聞こえたから。
「ん…ああ。もう寝れるよ?」
「ほんとに一緒に寝てくれるの?」
申し訳無さそうに、下を向く。
「ん。いいよ。別に」
何気ない風を装ったが、語尾が震えた。
「ごめん…」
そう言うと、また黙った。
「なんで謝ってんだよ。いいってこのくらい」
なにかを吹っ切るように、言いながら俺はベッドに上がった。
びっくりした瞳で、俺を見つめる雅紀のおでこを突いた。
「遠慮すんなよ」
「うん…ありがと」
少し、雅紀が泣いてるように見えた。
「それはいいんだけどさ、スエット着ない?」
「え、だって松潤ち暑いんだもん」
「暑くないだろー。適温だろ」
「だからそれが俺には熱いの。俺、冷たい部屋で構わないから」
「体温高いから?」
「うん」
「でも、服くらい着ろよ…」
「だって…」
剥れると、そのまま寝転んだ。
「これが気持ちいいからいいの!」
「いやいや、雅紀さあ、夜中起きたら、バスローブはだけてて、あらぬものを俺がみたらどうするんだよ」
「あらぬものって、松潤にもあらぬものがついてるじゃん」
言葉の意味を額面通りに受け取らない、というミラクルを見せられた…
「いや、あんな。別にそれだけを言ってるんじゃないんだよ?おじさんは」
「じゃあおじさん、どうして俺にそんなにスエット着せたいの?なんかエロいこと考えてるの?」
「バカなっ…!おじさんはな、雅紀が風邪を引かないようにな…」
「ああ、はいはいわかりましたよ~。でも俺着ないもんねー」
「ちょお、人の話聞けよ」
ケラケラ雅紀が笑い出したので、俺も笑いながらそれを眺めた。
雅紀が笑ってくれるのが嬉しかった。
「わかったわかった。そのまんまでいいよ。寝るぞ。雅紀」
「うん。ありがと。松潤」
サイドテーブルに置いてあったリモコンで電気を消すと、俺は横になって布団を被った。
隣で横になる雅紀にも、肩まで布団を掛けてやった。
しばらくすると、雅紀のほうから熱気が伝わってきた。
ホントに体温が高いんだな。
「じゃあ、おやすみ。雅紀」
「…ん。おやすみ。松潤」
目を擦りながら言うと、すぐに雅紀は眠りに落ちていった。
俺は暫く、その横顔を眺めてた。