第4章 navy blue scene1
次の日。
朝、起きると雅紀の姿はなかった。
洗面所に置いてあった薬は、なくなっていた。
一体、昨日起こったことはなんだったんだろう。
スマホをみると、短いメッセージがあった。
「昨日はありがとう。鍵、掛けずに出てごめんね」
そんなことじゃない。
俺が知りたいのは…
胸に残るキスマークは、暫く消えなかった。
数日は、何事もなく過ぎた。
雅紀はあんなことはなかったかのように接してきた。
いつもとなんら変わらない時間が過ぎた。
「おはよー松潤」
今日はレギュラー番組の収録。
楽屋にメンバーが集合してきていた。
俺は珍しく1番乗りで、新聞を読んでいた。
「おはよー。雅紀」
顔を見上げると、目があった。
その瞳は、俺の中まで見通すように、澄んでいた。
気恥ずかしくなって、俺のほうから目を逸らした。
すると突然、ソファに座る俺の横が沈んだ。
雅紀が座っていた。
楽屋の席は、だいたいが座る位置が決まっている。
今日の収録だと、俺の横はニノだ。
「まさ…」
突然、雅紀が俺にもたれかかってきた。
「雅紀…?」
「このまま…」
一言いうと目を閉じて、全身を俺に預けてきた。
また、俺は混乱した。
雅紀は、そのままじっと動かず、言葉も発しない。
その顔にとても深い疲労をみた。
そういえば、ちょっと痩せた。
ドラマの撮影に入ると、みるみる痩せていくが、今回はちょっとペースが早い気がする。
そのまま、雅紀は寝息を立て始めた。
俺は、新聞を置くと雅紀の肩に手を回した。
俺の胸に雅紀の頭を乗せると、そのまま俺も目を閉じた。
わけがわからないけど、今は雅紀がこれを必要としている。
だったら、もたれるくらいいいよ。
いつの間にか、俺も眠りに落ちた。