第4章 navy blue scene1
「とりあえず、荷物ここ持ってきておいたから」
「うん。ありがとう」
「パジャマ、なんでもいい?」
「うん」
「ここ、スエットと、セーター出しておいたから。あと、寒かったら、パーカーね」
「ありがとー。松潤、気が利くねぇ」
「いいえー。じゃあ、俺も風呂入ってくるから、雅紀、先に寝てなよ」
「うん。そうさせてもらうね」
「明日は午後からだから、起こしてね」
笑いながら言う。
「もー松潤、寝起き悪いからなぁ。翔ちゃんに言われないと起きないじゃん」
「だってあの人怖いんだもん」
そういうと、目を合わせて笑いあった。
「スマホ、充電するならリビングに充電器あるから」
「ありがと。使わせてもらうね」
「じゃあね。おやすみ」
「うん。おやすみ」
バスルームへ行って服を脱いでいると、棚の向こうになにか転がっているのが見えた。
薬だった。
あれ?あの人なに飲んでるんだろ。
薄いピンク色の薬は、シートに入っていなかったので、それがなんの薬か見当がつかなかった。
捨てていいものかわからなかったので、とりあえずティッシュにくるんで洗面台の横に置いておいた。
風呂からあがるとバスローブを羽織ったままで、キッチンへ向かった。
飲み物を飲もうと、冷蔵庫に手を掛けると、雅紀が眠る部屋から声が聞こえた。
「雅紀、まだ起きてんの?」
声を掛けたけど、返事はない。
寝言かな、と思ってそっと部屋を覗く。
その日はとても綺麗な満月で、雅紀の眠る部屋には月光が差し込んでいた。
部屋が薄い紺色に染まっていた。
ベッドの上には、バスローブ一枚で眠る雅紀がいた。
寝乱れたのか、伸びやかな肢体が、バスローブからはみ出していた。
月光に染まった足が、とても綺麗だった。
ちょっとだけ、ドキッとした。
「もう…風邪引くだろ…」
そう言って、雅紀に布団をかけようと近寄る。
「雅紀、風邪引くよ」
そう声をかけるけど、一向に起きる気配はない。
しょうがないので、雅紀の身体に手をかけた。