第22章 オレンジscene1
「せんせ…?」
突然、俺の夢想に二宮の声が入ってきた。
だめだな…
幻聴が聴こえるようじゃ。
「櫻井先生…?」
がばっと起き上がった。
正面に二宮が立っていた。
「え…?」
「やっと会えた…」
そう言って二宮は俺の胸に飛び込んできた。
俺は勢いで後ろに倒れた。
「え?二宮!?」
「せんせぇ…」
そう言って二宮は泣いた。
俺の胸でずっと泣いた。
「ど、どうして?二宮?」
「俺、ここの生徒になったの」
「嘘だろ!?英語赤点だったろ!?」
「一生懸命勉強した。先生に会いたかったから…」
もう二宮は自分の気持ちを隠そうとしていなかった。
俺への思いを全面にぶつけてくる。
「ごめんね。帝上いけなくて…」
「いや、お前ココに入るほうが難しいだろ…何言ってんだよ…」
「だって湯川教授に聞いたよ。すごくお願いされたって…」
「いや、いいんだよ…」
まだめそめそ泣いている二宮を起こして、顔を袖で拭いてやった。
「お前、俺のことそんなに好きなの?」
「うん…」
「そっか…」
俺はなにも言えなくなった。