第22章 オレンジscene1
ミシガンにつくと、また忙しい日々だった。
俺の日常は寮と研究室の往復だけになった。
”ジャップクレイジー”と言われた。
でもそんなの気にならないくらい、面白かった。
スパコンを使いながら、毎日理論を追求する。
こんな贅沢な毎日があっていいのだろうか。
”ジャップクレイジー”と言った奴らとも仲良くなって、議論を戦わせることもしばしばだった。
キャンパスにはいろんな人種がいて、たまに日本人も居た。
でも専攻が違うから、俺はあんまり馴染めなかった。
ジャップクレイジーくんたちとのほうが馴染めた。
天気のいい日にキャンパスの庭で、ノートとシャーペンだけ持って、理論を夢想してる時間がとても幸せだった。
湯川教授にたまに連絡を入れた。
研究の成果を話すととても喜んでくれた。
半年ほどたったとき、二宮のことをきいてみた。
二宮は大学を辞めたそうだ。
入学してから一度も通えなかったらしい。
詳しいことはわからなかった。
完全にこれで二宮とは断ち切られた。
身体の力が抜けた。
絶対に帝上に行っていると思っていたのに…