第22章 オレンジscene1
でもこれで良かったのかもしれない。
俺と一緒にいても、あいつに未来はない。
あいつの思いも、俺の思いも虚しいだけだ。
俺は心に二宮への思いを埋めた。
アパートを引き払う日がきた。
ここを出て、一旦実家に入る予定だ。
荷物を全部出し終わって、階段を降りていく。
アパートを見上げた。
これで二宮との関係も終わりだな。
そう思った。
涙が出てきた。
人に見られないよう、泣いた。
涙が止まらなくて、困った。
でも俺は前にすすまなければならない。
そう思えるようになった。
これはきっとくすぶってた俺に、二宮がくれたチャンスなんだから。
二宮がいなかったら、決心できなかった。
間接的に背中を押されたようなものだ。
本当にありがとう。
二宮。
大学に行けるかどうか、わからないけど、お前ならきっと行ける。
身体の傷を癒やしたら、絶対に行けよ。
休学してもいい。身体をしっかり治せ。
絶対に湯川教授についていけ。
そうしたら間違いないから。
だから…頼むから…元気でいてくれ。
またあのほほ笑みを浮かべててくれ。
俺の前じゃなくてもいいから。
頼む。二宮。