第22章 オレンジscene1
二宮のことは担任がやっていたので、俺はどうすることもできなかった。
どういう状態なのか、担任に聞いてもあまりはっきりとしたことは教えてもらえず。
これから訴訟になりそうだから、みな慎重になっていた。
俺は来月からアメリカのミシガンに行くことになっていた。
ミシガン大学の研究室に入るために。
その準備にも追われていた。
二宮は入院しているので、学校にはもちろん来ない。
連絡先も自宅しかしらない。
今、連絡できるわけないので、俺は八方塞がりだった。
二宮に会いたかった。
二宮の頬を撫でたかった。
大丈夫だからと声を掛けたかった。
あんな状態のあいつをほうっておくことなんてできないと思った。
だけど、現実はなにもできなくて。
虚しい時間が過ぎた。
いよいよ俺が退職する日がきた。
けど、二宮のことに関しては相変わらずなにも教えては貰えなかった。
虚しく学校を後にした。
アパートに戻ると、一度だけ二宮が来たことを思い出した。
だがここも来月解約して出て行く。
そうなったら二宮との絆はなくなる。
言いようのない、虚しい風が心に吹いた。