第22章 オレンジscene1
二宮は顔を上げると、俺のメガネを取り上げた。
「ちょっ…何するんだ!」
メガネを取り返そうと、イスを二宮の方向に向けた。
二宮は俺に抱きついてきた。
「お…まえ…」
そのまま動けなかった。
二宮の身体が熱い。
顔を上げると、二宮は俺の唇に自分のそれを重ねてきた。
唇から火が出そうなほど熱くなった。
じわっとした快感が唇から広がる。
思わず口を開けたら、二宮の舌が入ってきた。
俺の舌を絡めとると吸い上げるように扱いた。
俺はされるがまま、二宮を感じていた。
思わず腕を伸ばした。
二宮の身体を抱きしめた。
二宮は震えた。
気がついたら二宮は居なかった。
でも口の端から流れ出る唾液が、今起こったことが現実だったと物語っていた。
だめだ…
これ以上深みに嵌ったら…
あいつの未来を潰す。
俺は唇の唾液を拭いながら、ある決心をした。
それは、今までの俺だったらできない決心だった。
二宮が、俺をそうさせた。
そうさせてくれた。
感謝するべきだろう。
だけど。むなしい。