第22章 オレンジscene1
3学期に入っても二宮の成績はキープされたままで。
よほど冬休み勉強したんだろう。
帝上大学はA判定が出ていた。
それもプラスで。
本気で勉強をしている二宮の心を乱すようなことはできなかった。
俺は二宮を拒絶する機会を失ったまま、あいつに接していた。
それに俺の論文は、乱れた心にもかかわらず、どんどん進んでいっていた。
二宮の唇を思い出すと、どんなことでもできた。
夢想していたものが、リアルになっただけでこんなに力がでるなんて。
我ながらゲンキンだと思った。
ちょっとずつだが、二宮との距離も縮んでいったような気がした。
センター入試の前日。
忙しい中なのに、何故か俺の論文が出来上がった。
最後の一行を入力したとき、二宮の顔が思い浮かんだ。
俺も頑張ったから、お前も頑張れ。
陰ながら応援することしかできなかったが、俺は満足した。
外の空気を吸おうと、カーテンを開けた。
下の道路に誰か立っていた。
こんな遅い時間に。
何をしてるんだろうと、窓を開けた。
見覚えのある姿だった。