第22章 オレンジscene1
その期末、本当に二宮は学年10位になった。
信じられなかった。
物理の成績で底上げされていたとはいえ、1000人居る中で二宮の成績は100位がいいところだった。
この受験期に90位も順位を上げるなんて、俄に信じられなかった。
どの教師も驚愕した。
一体なにが起こったのかと、職員室が騒然とした。
二宮を職員室に呼んで、事情をきいた教師もいた。
カンニングを疑う教師もいた。
でも二宮の答案用紙をつぶさに検証したところで、その証拠はでてこなくて。
教師たちは唖然としていた。
聞いたところだと、二宮はあれから毎日6時間勉強していたらしい。
それと朝学習もやっていたらしい。
朝学習とは、有志の教師が図書室で毎朝やっている勉強会で。
生徒はわからない箇所を、質問したりしながら勉強できるという会だった。
そこに二宮が現れたときは、ざわついたということだが。
参加する生徒はそんなに多くなかったから、目立ったそうだ。
めきめきと伸びていく二宮に、みんな舌を巻いたということだった。
後から後からでてくる逸話に、俺は背筋が凍る思いだった。
一体、二宮になにがあったからそうなったのか、俺だけが知っていたから。
俺との約束のため、だよな?
二宮…