第22章 オレンジscene1
でもやっぱりスパコンに近い性能をもったパソコンがある、大学の奴らには叶わなくて。
だから大学に通うことを決めた。
たった一個の論文を完成させるために。
教授は在学中俺のことを、とても気にかけてくれていた人で。
その厚意に甘えることにした。
論文を教授に見せたら、ぜひやれと言われたから。
「先生?どうしたの」
考えこんで、二宮のことを忘れていた。
「ああ、すまん。ちょっと思い出してた。いろいろ」
「そっか…大学生の頃の先生、見てみたいな…」
にこっと二宮が笑った。
教職をおざなりにしているわけではないが、心がちくっと痛かった。
「お前、それより他の科目どうなったんだ?」
「えっ…まあ…」
「今度の期末、ちゃんといけるんだろうな?」
「……うん」
そういうと、足をぶらぶらさせた。
だめなんだな…?
「じゃあ、学年10位に入ったらご褒美やるよ」
「えっ?」
できるわけないと思った。
だから大きく出てやった。
「なんでも言うこと聞いてやるよ」
「ほ、ほんとに!?」
えらい二宮が食いついてきて、びびった。
「お、お前…なんだよ…」
「ほんとにほんと!?」
「あ、ああ…」