第22章 オレンジscene1
「どうした?質問か?」
久しぶりの来訪だった。
「ううん…ちょっと先生に大学のこと聞きたかったんだ」
「ああ、よかったら今度行くか?学校見学」
「えっ!?」
「今週末、大学行くから。そん時でいいなら連れて行ってやるよ」
「ほんとに!?先生」
可愛らしい顔で笑う。
俺はメガネをくいっと上げた。
「粗相したら、二度と連れていかねーぞ?」
「うん!いい子にしてる!」
時々、ガキっぽいことを言う。
「じゃあご両親にちゃんと話しておけよ?」
「うん。わかった。先生」
そう言って、イスに座ったまま足をブラブラさせる。
こいつはいちいち仕草が可愛い。
俺を見つめる目も犬みたいで。
「で?まだなんかあんのか?」
「うーん…なにもない」
「なら、帰れよ」
「…暗いから…」
「え?」
「暗いから…センセ、一緒に帰ろ?」
「……女子かお前!」
上目遣いで俺を見る顔は、女子生徒のようで。
ちょっとクラクラする。
「わかったよ…少し待ってろ」
そういうと、満面の笑みを向けてきた。