第20章 ポンパドールscene1
ぎゅっと大野さんの腕にも力が入った。
暫くすると身体を離す。
「翔くん…」
翔さんを呼ぶ。
ちょっと戸惑いながら、翔さんは大野さんの近くへ来る。
「雅紀…」
雅紀も大野さんの近くへ歩み寄る。
大野さんは立ち上がると、並んで立った二人を抱きしめた。
「ふたりとも、大事だから…」
そういって、少し言葉を飲み込む。
「大事だから、許せないこともある」
そういって二人の頭を抱き寄せた。
ああ…
この人はリーダーなんだな…
別に普段、リーダーらしいことなんてなにもしないけど。
やっぱり俺たちの核で。
芯で。
「リーダーぁ…」
堪らず雅紀が大野さんに抱きつく。
翔さんはその二人を覆うように抱きしめた。
俺は三人で抱き合ってるのを眺めていた。
ここにも絆があって…。
なんだ、俺ら絆だらけじゃねえか。
そう思うとおかしくなってきた。
くすくすと笑いが漏れでた。
俺が笑うと、三人が振り返った。
「もう、いいだろ?」
笑いながら言うと、三人も笑った。
「ごめん…」
「ごめんね…」
またそう言ったから、今度は俺も抱きしめに行ってやった。
四人で抱き合った。
アホみたいに笑った。
そのまま団子になって暫く笑いあった。