第20章 ポンパドールscene1
また気を失ってしまった大野さんをソファに寝かせて、二人に濡れタオルを差し出す。
頬が赤くなっていた。
力が入ってなかったとはいえ、だいぶ衝撃はあったようだ。
「まいったな…智くん…」
翔さんが泣きそうになりながらいう。
「解散か…」
「そんなこと言って、翔さんたちだって考えてたことでしょ?」
「まあな…」
「俺は…二人の気持ちわかるから…」
「え?」
「大野さんに片思いしてた時の気持ちと一緒だもん…」
「あ…そっか、お前…」
相談に乗っていてくれた翔さんはすぐわかってくれた。
「応援はできないけどわかるから…」
「うん…ありがとな、潤」
翔さんはそういうと雅紀と目を合わせた。
二人は少し表情が緩んだ。
ここにも俺の計り知れない絆があるようだった。
俺はなんだかその絆から外れた気分になった。
ニノと大野さんの絆。
翔さんと雅紀の絆。
どれも特別で、俺には入っていけない絆。
なんだか淋しい。
ソファの上の大野さんが起きだした。
「潤…」
俺を呼ぶ。
そうだ。
俺の絆はこの人と繋がっている。
これだけで充分じゃないか。
俺に向かって腕を伸ばしている大野さんを、俺は力いっぱい抱きしめた。