第20章 ポンパドールscene1
翔さんは、それから一時間ほどしてから着いた。
俺の家に入ると、頭を下げた。
「ごめん、松潤…」
「いや、いいから…」
そんなことされたことがなかった。
俺が入所してからずっと兄貴みたいに慕ってて。
大野さんを好きになったときも、親身になって相談にのってくれて。
そんな翔さんに頭を下げられるなんて…
「俺はいいんだ。大野さんが…」
そういうと、翔さんは唇を噛んだ。
「そうだよな…智くんとニノは特別だもんな…」
玄関先で立ちすくんだ。
大野さんとニノとの間には特別な絆がある。
それは俺もわかってるし、メンバー全員がわかってるコト。
愛とか恋とかじゃない、兄弟のような家族のような絆。
羨ましいと思う。
多分、みんなそう思ってる。
「…とにかくあがりなよ」
リビングに入ると、雅紀が立ち上がった。
「翔ちゃん…」
切ない目をしていた。
「雅紀…大丈夫?」
真っ先に雅紀を心配する言葉が翔さんから出て、少し驚いた。
「ごめんね。翔ちゃん…」
そういうと、雅紀はまた泣きだした。
「いいから…いずれはわかることなんだし…」
そういうと、翔さんは雅紀の肩に手を置いた。
「泣くな?雅紀…」