第19章 シーモスscene1
「寒かったでしょ?なにか飲む?」
「じゃあ、紅茶…」
「わかった」
またこの部屋に来ることになるなんて。
キッチンワゴンの脇に立って、カズヤが紅茶を入れている。
少し身長が伸びたみたいだ。
「カズヤ、背のびた?」
そう聞くと、振り返って笑った。
「よくわかったね。パパもわかんないのに」
そういうと、少し悲しそうな顔をした。
俺と目があうと、すぐ逸らした。
カズヤの入れてくれた紅茶はほろ苦かった。
「で、相談って?」
向かいのソファにカズヤは腰掛けた。
「ちょっとその…うまくいかないことがあって…」
俺と雅紀は目を合わせた。
暫くどう切り出そうか考えていると、カズヤが笑い出した。
「お、お兄さんたち、デキた?」
「えっ…」
「だって、雅紀の目…完全に女の子だよ…」
そういって、笑いを堪えた。
「な、何言ってんだよ!」
雅紀がムキになって言う。
目を擦ると上を向いた。
「わかりやす…」
そう言ってカズヤは笑い転げた。
「かなわないな…カズヤには…」
俺はため息を付いた。
こんな年下の子にからかわれるなんてな。