第19章 シーモスscene1
この子になら、と俺は直感で思った。
「君、口は固い?」
「え?固いほうだと思うけど?」
「ちなみに、君はネコ?」
「みりゃ分かんだろ…」
俺は用件を喋った。
くどくどは言わない。
ストレートに喋った。
「ネコの気持ちを教えてくれ」
「はぁ?」
本当は適当なゲイカフェに入って、世間話でもして仲良くなった店員にでも聞こうと思っていた。
だから昼間の時間を選んだ。
芸能人の気まぐれで、ふざけてやってることだと思わせて。
ネットじゃ調べるのに限界があった。
ノーマルの男がある日突然襲われて、どういう気持ちになるのかわからなかった。
傷ついたとか、目覚めたという体験談はあったが、どれも嘘くさい。
俺たちはニノのためなら、下調べにはどんなことでもやろうと話し合っていた。
どれだけ慎重にやっても、傷つけると思ったから。
なるべくニノを気持ちよくして、その時間だけでも快楽に溺れて欲しかった。
「そんなこと知ってどうすんの?」
「知りたいんだ。必要なことなんだ」
「……好きなヤツでもいるの?」
図星を突かれた。