第1章 きみどり scene1
「はぁっ…くっ…だめ」
さっき、俺がダメって言ったってやめなかったくせに。
「かずぅ…」
「だめだよ。さっきあなたやめなかったんだから」
手のスピードを緩めることなく、大野さんにキスの雨を降らせる。
俺、このひとになら何されたっていいや。
「大野さん…気持ちいい?」
「うん…かず…いい」
「嬉しい。もっと気持ちよくなって?」
「ああっ…うん…も、イキたい…」
「いいよ。イって。俺、受け止めるから」
「ああっ…あーっ…くっ…イクっ…」
ぐっと俺の肩を掴む手に力が入って、大野さんは果てた。
俺の手の中には、大野さんの熱いカタマリがあった。
「か、かずっ!ごめん。ごめ…」
そう言って慌てて立ち上がろうとする大野さんの口を、唇で塞いだ。
「いいの。俺がこうしたかったんだから」
サイドボードにあるティッシュで俺の手を拭って、先ほどの温タオル改め、ただの濡れタオルで丁寧に俺の手と股間を拭きとってくれる。
拭きながら大野さんが訊く。
「無理してない?」
「無理してるようにみえる?」
「……全然」
二人、目を合わせて笑った。
なんだかすごくすっきりした。
昨日から、ぐっすりと眠らせてもらったから、多少ふらふらするけど今は元気だ。
いや、元気もらったのかな?
「よし、綺麗になった」
「ありがとう」
「さて、また寝るか?」
「いいの?」
「いいよ。俺、何時間だって寝られるんだから」
「じゃ、お言葉に甘えて…」
また大野さんの胸に、俺は顔を埋めた。
「ありがとう……大野さん」
いい匂いに包まれて、俺はまた心地いい眠りについた。
眠りに落ちる寸前、大野さんの声が聞こえた。
「かず…?眠った?」
「……?」
「俺、かずのこと好きだよ」
夢心地でそのセリフは効いた。
ありがと。
俺も。
多分…いや。
すき。
また、まぶたにキスが降ってきて、俺は眠りに落ちていった。