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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第1章 きみどり scene1


「ぎゃー!ヤメロ!そっちの趣味はないって言ったじゃないかー!」

振り解こうとするけど、大野さんの力は強くて振りほどけない。

「かずかわいいーーーー!!」

大野さんの絶叫に俺は固まった。
動きが止まると、沈黙が俺らを襲った。

「も、もう離してよ…」

「……」

「や、やめよ?こういうの」

「先にしたのかずだよ」

そういうと大野さんは俺にキスをした。

不思議と嫌じゃなかった。

「だめ…?気持ち悪い?」

泣きそうな顔で大野さんが言った。

「だめ……じゃない…」

みるみる顔が赤くなるのがわかった。
何言ってるんだ俺…

大野さんの顔がまた近づいてきて、ちゅっと音がした。
今度は額にキス。
またちゅっと音がしたかと思うと、頬にキス。

何度も俺の顔に大野さんのキスが降ってきた。

嫌じゃない。嫌じゃないどころか。

気持ちいい。

なんだこれ。やばい。やばいんじゃないか。

最後に唇にちゅっと音がした。

そのまま唇は離れていった。

「ごはん、買ってきた。食べようか」

大野さんの顔が真っ赤になってる。耳まで真っ赤になってる。

それをみて堪らなくなった。

今度は俺からキスをした。

唇に。

その後は覚えてない。

気がついたら、俺は床にへたり込んでいた。

頭上から大野さんの声が降ってくる。

「ごめん、がまんできなかった」

俺を抱き起こすと、ソファーへと運んでくれた。

「大丈夫?ご飯、食べられそう?」

なんだか胸がいっぱいで、食べられそうになかったけど、心配顔のこの人の前では言えなかった。

「ん。ちょっとなら食べられるかな」

果物とパン、温かい紅茶がテーブルに並べられた。

「ごめんね。買ってきたものばかりで。俺、適当だからさ。こんなとき何食べてもらえばいいかわからなくて」

「ううん。ありがと。十分だよ」

果物を口に含むと、カラカラに乾いていた喉に染みる。

さっきしたことで、俺の身体から水分という水分が蒸発していったようだった。

パンにかじりつくと、美味しくて。

なんだかわからないけど、最近なかった食欲がわいて来た。

「おいしいね。このパン」

「近所にね、すっげー美味しいパン屋があるの。さっき焼きたてあったから買ってきたの」

ガツガツ食べる俺を、嬉しそうに眺めながら、大野さんも食事を進めている。
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