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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第1章 きみどり scene1


「かず、こなくていいよ!」

「でも、このくらいは」

「行ってらっしゃいのちゅーでもしてくれんの?」

笑いながら大野さんは靴紐を結ぶ。

ちょっとかちんときたので、その頭をもってぐりっとこちらを向かせた。

唇にちゅっ。

「な、な、なにを…」

「はい、いってらっしゃーい」

ドンと背中を押すと、大野さんをドアの外に追い出した。

すぐにドアを叩く音。

がちゃっと開けると、情けない顔の大野さんが立っていた。

「かずぅ…鍵まだ持ってないんだけど…」

「ああ、ごめん」

下駄箱の上に置かれた鍵を渡すと、ぐいっと腕をたぐられた。

「かず、もう一回」

仕方ないなぁ…

ちゅっと軽くキスをする。

唇を離すと、今度は大野さんからキスが降ってきた。

ちゅっと音がすると、大野さんは慌てて飛び出していった。

くすくすと笑いがこみ上げてきて、俺はまたふらふらとしながら廊下を戻った。

バスルームについて、鏡をみると俺は笑っていた。ひとりでこんなに笑ったことはない。

なんだこのにやけ顔は…

ぺちぺちと頬を張って、俺は服を脱いだ。

バスルームは意外にもとても清潔で、けっこう寛いでしまった。

ゆっくりとシャワーを全身にかけて温もる。

いつも大野さんからする香りのシャンプーやボディソープを使う。変な気分。

でもあのいい香りとはまた違う香り。一体あのいい匂いはなんの香りなんだろう。

バスルームから出ると、もうすでに大野さんが帰ってきているようだった。

「かずー?大丈夫?のぼせてない?」

ドアの向こうから大野さんが声をかけてくる。

「うん。大丈夫よー。髪乾かしたら、そっちいくね」

身体を拭いて大野さんの用意してくれたパジャマに袖を通す。

サイズがぴったりなのは気のせいなのか…?

ドアを開けると、大野さんがカーテンを開け放ち、窓を開けているところだった。

「かず?来たの?ちょっと空気のいれか……」

大野さんの言葉が止まる。

「ん?入れかえするの?」

大野さんは固まったままだ。

「どうしたの?大野さん?」

大野さんが、よちよちしながらこちらに歩んできた。

「え?なに?どうしたの?」
「かず…」
「はい?」
「かず……」
「はい??」
「かず、かわいい!!」

ぎゅっと抱きしめられた。

何を言ってんのこのひとおおおお!
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