【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第5章 慣れない生活【R-18】
あの抗争は、ほとんど終わりかけの時に突撃したおかげで、簡単に片付いた。
そのお陰で、私達はマツノファミリーの屋敷にやって来た。
六つ子のうちの、二名は傷が酷いので入院中、手下の人達も結構入院してるけど、そんなに多くはないみたい。
まぁ、日本に居たボスも戻ってきたし、皆目は輝いてる。
何故か、毎回移動するたびに視線が私の方を向くのが気になるけど。
しかも、私イタリア語ができないから、皆が何言ってるのかわからないし。
そんな状態な私を察したのか、チョロ松さんが「先にお風呂入ってきなよ」と薦めてくれた。
あの人は、気配りができるいい人だぁ……!!
そういう所、お兄ちゃんみたいで落ち着くなぁ。
ま、そういうことで今現在私はお風呂に入ってます。
でも、私が知ってるお風呂と全然違うんだよね。
これ、お風呂じゃなくて『温泉型テーマパーク』の間違いじゃない?
だって、25mくらいありそうな温泉に、流れる温泉プール、滑り台、ジャグジーにジャングルをイメージした薬草風呂、本格的浜辺のような海(ただし温泉)。
一言で表せば、温泉版長崎シーガイアって感じ?
こんなリゾートに素っ裸で入るって、勇気が居るし、無駄に広いだけで何処で体洗うの?
タオルを巻きながら、入り口で呆然と突っ立ってると、誰かの足音が聞こえる。
慌てて木の影に隠れると……、タオル付けてるカラ松さんだ。
「おーい、マイハニー? 返事をしてくれー」
私は、体の全身から血の気が引いてくのを感じながら、息を潜めて、足音を立てないように歩く。
できるだけ、カラ松さんから自分自身が見えない位置に。
木の周りをぐるぐると回っていると、カラ松さんは首をひねった。
「ったく、悪戯好きな子猫ちゃんには困ったもんだ」
すると、カラ松さんは戻ってしまった。
私は、慌ててその場から逃げ出す。
もちろん、見つからないように細心の注意を払いながら。
だって、籠の中には『私が入ってます』って証拠が残してあるんだ。
次考えられる行動は、確実に『探しに戻ってくる』か『仲間を増やす』の2選択。
こんな素っ裸の状況で捕まるわけにはいかない。
私は、長年練習をサボった忍者走りを思い出しながら、地面を蹴り始めた。
少々、音が出てるから修行のしなおしかも。