【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第4章 イタリア行き
心臓が煩いくらい音を立てた。
背中から、冷や汗も流れてくる。
でも、早く撃たないと遠のいてしまう。
私は、銃を取り出して銃口をターゲットに合わせて、ボタンを押した。
すると、人質を取ってた敵が倒れ、その瞬間、黄色いシャツの人は素早く動いた。
援護していた人は、銃を撃つまでもなく倒れた。
――外へ出ていいのかな?
でも、まだ敵がいるかもしれない。
そう思って、息を潜める。
遠くでは、銃声は聞こえなくなり、殴られる音だけが響く。
うめき声と一緒に、また銃声も聞こえてくる。
私は、穴から外を見て、誰もいない事を確認した。
そして、小さく顔を出すと、また周りを見渡す。
周りには誰も居ない事を確認し、私は倒れてる男達のほうへ向かった。
懐を探り、銃と弾を補充すると、銃声のするほうへと忍び足で歩いて行く。
すると、そこはマフィア達が抗争を繰り広げていた。
私を置いてったカラ松さんも、ちゃっかり加わってる。
でも、マツノさんは肩から血を流し、おそ松さんはマツノさんを庇いながら戦ってた。
さっきの黄色いシャツの人も一緒になって戦ってるけど、その人以外全員シャツが破けたり、顔に痣があったり、切られた後があったりといろいろ生々しい傷跡があった。
まぁ、遅く来たカラ松さんとおそ松さんは、数カ所痣があるだけで、一番怪我は軽いだろう。
でも、それ以上に一緒に戦ってる組員達の怪我は酷い。
銃で撃たれてるのに、最前線で戦ってる姿は雄々しい戦士のようだ。
その時だった。
ナイフを持った男が、素早い動きでナイフを投げる。
すると、黄色いシャツの人が、マツノさんを庇った為、腕と肩の二箇所にナイフが突き刺さった。
――あの人は、厄介だな。
私は、位置を悟られること覚悟で、ナイフを持った男めがけて、発砲する。
相手が動きそうな行動を予測しながら発泡したため、見事命中。
何人かの男が、私の所へやってくるので、慌てて垂れ下がった太いチェーンをよじ登り、二階へと移動する。
この位置は見つかりやすい上に、床が鉄でできているから、慎重に動かなければ、足音が出てしまう。
私は、床を這いながら慎重に移動すれば、下へ降りる階段があり、その先は最初私が隠れていたドラム缶が見え、近くには男が二人銃で応戦している。