【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第3章 恋された時って案外無自覚な物でして
なんで私にこだわるのかって理由は、ずっとはぐらかされたままだった。
なんていうか、本気で遊んでいるのか、あえてスルーしているのか、この人達はわからない。
でも、そうやってはぐらかされてる間に、デパートへついた。
二人にエスコートされてデパートへ来たんだけど、平日の昼間なのに人はいっぱい。
こんな格好で行くと思うと、目の前に広がるのは絶望ばかり……。
あーあ、本当に嫌になる。
「ねーねー、やっぱ止めない? 服なんて、帰って着替えれば……」
「えぇ~、いいじゃん。買おうぜー?」
「そうそう、人目がつかないような場所にするさ」
「どうやって……」
私が人を気にしてたことはわかったみたい。
察しが良いんだか、悪いんだか。
まぁ、そういう事でデパートへは入らずに裏口? から入った。
そして、赤絨毯がひかれた豪華な部屋に案内された。
「マツノ様、ようこそいらっしゃいました。本日は、どのようなご予定で?」
「えとさー、コイツに似合う服欲しいんだけど」
「どのような服がよろしいですか?」
「んー、とりあえずサイズ合う服、全部持ってきてくんね?」
というわけで、デパートのVIPルームに案内された私は、店員さんに採寸チェックされて言われるがまま色々試着をしていった。
明らかに、場違いなドレスやら、毛皮のコートやらも持ってきてたけど……。
でも、二人が選んだのはミニスカとじゃかじゃなくて、意外と清楚系が多が多かった。
「もうちょっと肉ついたら、色々着れるんだけどねー」
「――そうだな。今のところ、露出しない格好のほうがよく似合う」
まぁ、こんな理由か。
そんなにガリガリかなぁってお腹をチェックしたら、肉を掴むことが出来た。
これは、ダイエットコースだなぁ。
「マイハニー、きちんと食えよ」
「――はーい」
ちぇっ、察しのいいヤツ。
そうして、服も見終えた頃だった。
「あ、そーだ。てきとーに料理器具持ってきてくんない?」
「そんなの家に帰って買いなよー。荷物にならない?」
「いやー、君料理好きだろ?」
――あれ、何故それを知ってる?
「ほら、小学校の頃から毎日皆のぶんのお菓子作ってあげてんだろ~?」
「えっ、なんで知ってんの?」