第4章 女神、銭湯へ行く
そして、場所は変わり風呂場。
トト子と鈴は風呂に入っていた。
隣では、覗こうとする六つ子とそれを阻止しようとする椎の争う物音が聞こえてくる。
トト子「で、詳しく聞きたいんだけど」
鈴「はい?」
トト子「神様なんでしょ? トト子のお願い聞いてくれない?」
鈴「あー、残念ながらマスター命令じゃないと動けない制約が。マスターのカラ松兄さんを通してくれないと」
トト子「えぇ、クソ松? また厄介な奴に引っかかったわねぇ」
鈴「そうでもないですよ。結構適応力がありますし」
トト子「それ言うなら、トト子のほうが適応力あるもん」
鈴「――まぁ、そうですね」
言われてみれば、確かに。
簡易な説明で信じたのは、トト子が初めてである。
トト子「そうだ、貴方ってどんな事ができるの?」
鈴「勝負事で勝たせることができますよ!」
トト子「――って事は、アイドルのオーディションに受かっちゃうの!?」
鈴「あー、アイドルかー。楽勝だと思いますが、その後の活動も努力しないと駄目ですよ。努力せずに人気になるのは、弟のほうですねぇ」
トト子「だから、はた坊はお金持ちになったんだ……。いいな~、カラ松君、貴方をくれないかしら?」
鈴「余程のことがない限り、マスター変更はできないんですよー、ごめんなさい」
トト子「いいなぁ~、うち商売してるから、お友達紹介してくれない?」
鈴「うーん、空いてる子探しときますね」
トト子「ありがとうね~、そういえば、名前は?」
鈴「ヴィクトワールです。日本名として鈴って名前を頂きました」
鈴は、ニコリと笑った。
トト子「へぇー、何かあったらお願いするから、よろしくね!」
鈴「はい、トト子さん」
トト子「それじゃ、銭湯の使い方教えるから」
鈴「はーい」
隣では、物が壊れる音がしている。
それと同時に、六つ子達の悲鳴も聞こえたのであった。