第1章 厄介事はお断り
俺は、ハチに会おうと外に出た。
すると、ハチは部屋の外で腕組みして待ってた。
まぁ、普通の女の子ならカッコ良さで胸きゅんする所だけど、俺男だし。
しかも、相手はゴリラ。
細身のイケメンだったらワンチャンあったかもね。
まぁ、※ただし女性に限る っていう注意文句つくけど。
「ハチ、飯行く前にちょっと話あるから、部屋入れて」
「ん、俺の部屋か? まぁ、別にいいけど」
俺は、ハチの部屋に入るなり、八戸の部屋に窓を見た。
すると、ここからだと奴らの部屋は見えない。
「窓の外がどうかしたのか?」
「俺の部屋って、窓から見える部屋は人居なかったっしょ?」
「――もしかして、誰か越して来たか?」
「F6っぽい」
「って事は、さっきのおそ松は……」
俺は、ゆっくりと頷いた。
この先、言うかどうか迷った。
だって、いくら男用とは言え、男の娘用の下着の話だし。
「ハチ、やっぱ女装は不味いと思う。俺、F6に目ェつけられちゃったし」
「――うーん、チアだけはやってくれないか? 俺が全力でフォローするし」
や、やっぱそこは引かないか。
クラスの奴らの喜びようは、凄かったし。
今更無理って言うのも、上げて落とすようで悪いから。
「ったく、面倒な事にならなきゃいいけど」
この学校は権力が全て。
クラスの中で一番強いのは、ハチ。
そのハチが袋叩きにされたら、俺はF6(アイツ等)の言うことを聞く以外方法はなくなる。
そうやって、学校を去ったのがこの前のF6末っ子にアピールした奴だ。
色々と、ストーカーをしてたとか黒い噂はあるけど、それ以上に権力の押しつぶし。
思ってる以上に、F6は関わりたくない物件で……。
「大丈夫大丈夫、俺が全力で守るから!」
「ったく、この脳筋馬鹿! 六人から袋にされたらどうするのさ!」
「大丈夫だって! 周りには、可愛い男もいっぱいいるし、無理にお前を連れて行くほど飢えてないだろ」
「ま、それもそっか」
よくよく考えたら、あそこはハーレム作ってる連中。
わざわざ、僕に何かアクション起こす利点も見えないから。