第1章 厄介事はお断り
全寮制なこの学校。
ハチとは隣の部屋だから、部屋の前で別れた。
本当は、ハチから遊びに誘われたんだけど、お生憎様。
俺にはやることあんの。
で、部屋の中で広げてるのは女性物っぽい下着。
色取り取りでフリルとかレースがついた可愛い下着ばっかり。
実は、俺は男の娘なることにハマってんの。
こういう格好して女の子と会ってセックスすると、相手も可愛いって喜ぶし、俺も気分がいい。
どうせなら、自分も相手も可愛いほうがいいに決まってるから。
俺、無類の可愛いモノ好きなんだ。
で、今回デート用の下着じゃなく、チア用の下着選び。
色は青と白の古典的色だし、スカートはチアっぽいデザインにマリンルックの模様。
だから、あんまりフリルの無い奴がいいかな~って、水色の普通の下着をセレクト。
では早速~、となる前に、カーテンを全部閉める。
真っ昼間からこんな格好するんだし、見られちゃやばい。
カーテンを閉めてる時、一人の男と目合った。
その男は、目が合うとニィっと笑って手を振った。
気にせずに、カーテンを閉めたけど、あれはF6の長男……?
まぁいいや、下手にアクション取ると、面倒事に巻き込まれるし。
それより重要なのは、下着だ下着。
いつも学校に行く時は普通のトランクスで行くから、いつもより興奮してる。
理由はわかんないけど、でも何故だか男の娘用の下着を目の前にすると顔がにやけてしまう。
「へへっー、んじゃいきますかー」
ズボンとトランクスを脱ぎ、選んだ下着を履いて鏡の前に立つ。
でも、やっぱり上着がアレだな。
さっきまで盛り上がってたんだけど、チア服着ないと一気に盛り下がる。
でも、あのチア服によく合う下着だと思うよ。
ついでだし、可愛い服でも着ようかなっとタンスを漁り始めた。
「おーい、ー。居るかー?」
「げっ、ハチ。ちょい待ってー」
折角いい気分だったのに。
俺は、イソイソと服を着替え、大切なコレクションを綺麗に片付ける。
履いた下着は、もちろん洗濯機の中。
数日後に行われる体育大会の時用に準備しとかないとね。
それで、準備が終わって外に出てみれば、私服に着替えたハチが立ってた。
「遊び行こうぜ!」
「ハァ? 行かないって言ったのに、ったくもー」
仕方ない、ハチに付き合うか。