第1章 厄介事はお断り
「、お前は大丈夫だって。F6に対してがっついてないだろ?」
「まー、いくら顔がよくても六つ子なんてねぇ?」
しかも、六男なんて俺と同じ可愛い系狙ってるじゃん?
なのに、なんで可愛い奴にモテるのか理由がわかんない。
まぁカッコイイ奴にもモテてるけどさー。
「だから、大丈夫だって」
「はぁ~? 何かあったら俺が困るんだけど?」
時々、ハチはこういう祭りごとを楽しむ傾向がある。
コイツにとっては、祭りの一貫かもしれないけどさぁ、俺にとっては地獄のパーティー。
ったく、人の気も知らないでさ。
「大丈夫大丈夫、本当にただ女装するだけなら大丈夫だって」
「嘘だったらどうすんのさ」
「嘘じゃない。実際、前の体育大会で女装してた生徒は多かったろ?」
「ま、確かに」
女装してチアしてる子達は楽しそうに踊ってたし、いつもよりチヤホヤされて気分良さそうだったな~。
たま~にだけど、ああやってチヤホヤされるのもいいかなって思うんだよね。
チヤホヤされると気分がいいし、貢物も増えるし?
「まっ、何かアレばハチの責任だから」
「おう、任せとけ!」
こうして、俺の女装は決定。
チアの格好は、学校が指定の服配るんだけど、セーラー服っぽい感じのデザインのチア衣装は結構凝ってるし、一回着てみたかったんだよね。
まっ、俺ってば何着ても似合っちゃうから?
一回くらい、着とか無いとね。
「そ、それでは無事決まったのでホームルーム終了で……!!」
イインチョーっては、キラッキラした表情させちゃってー、かんわいーんだから。
いつもそうしとけば、もっとモテんのに。
後、眼鏡も外せばいいのに。
糞ダサいし、似合ってないから。
クラスの奴らも、年に何十回もある体育大会なのに張り切っちゃってさぁ。
――ま、たまにはこういうサービスも悪く無いか。
どうせ、一回戦で負けるのに特訓しようとか言い出して。
クラスが同じ雰囲気になるのって、なんでこんなに楽しいんだろ?
ま、口には出さないけど、クラスの奴らのこういう所、結構好きだな。
「ハチ、帰ろ」
「ん、そうすっかー」
ま、絶対表情には出さない。
あくまでも、クールビューティーな俺を貫く。
そこが、俺の魅力って知ってるから。