第1章 厄介事はお断り
「っという訳で、これにてバスケットボールの選手決めを終わります!!」
ここは、赤塚学園。
ごく普通の男子校。
って言いたいけど、お生憎様。
喧嘩っ早い奴が多くって、喧嘩の強さがこの学校のステータスになってる。
おかげさまで、隣の病院に入院してる生徒は多数。
まぁ、その中で一番強い生徒は松野兄弟。通称F6。
見た目もイイとかで、可愛い男子は皆こぞってアイツ等にアピールしてる。
そのせいで、この学校は潤い不足。
なんたって、可愛い子はF6がハーレム築いてるしね。
おかげさまで、俺の周りには扱いやすい下僕が増えてラッキーだけど。
「そ、それで、我がクラスにもチアが欲しいと……」
イインチョーがそう言えば、皆一斉に俺のほうを見るワケ。
まっ、自分で可愛いって自覚はしてるし? どっちかって言うと美人なほうだけど。
いつもは有難い武器だけど、こういう時は厄介だよねー。
だって、チアなんてしたら目立っちゃうじゃん?
ただでさえ、可愛い男子が目立つことするとF6の囲いやってるセンパイに目ェつけられるのに。
「ヤダ。センパイに目ェつけられたくないから」
でも、多数決には勝てない。
俺以外の生徒達が必死な眼差しで俺を見てくるじゃん?
なんかさ、俺悪者みたいな扱いしやがって。
「安心しろよ、。相棒であるこの俺が全部処理してやるって!」
隣でゲラゲラ笑うゴリラは、俺の自称相棒であり下僕一号の弥八虎太郎(ヤハチコタロウ)、通称ハチ。
顔はゴツくて論外だけど、腕っ節はいいから側に置いとくには丁度いい奴。
それに、手を出してこないし、ただ可愛い弟を愛でてる感覚っぽいし、俺には色々都合のいい下僕。
「ったくさー、女装してアピった奴がレイプされた事件覚えてないワケ?」
そうそう、これはつい最近あった出来事だ。
誰が主犯かわからないんだけど、F6を教祖的に崇めてるセンパイが絡んでるんじゃないか……、って噂。
ファンクラブも出来てるからねー。おー、怖。
「あー、あれ? 相手されてねぇのに、無理矢理末っ子に絡もうとして制裁されたのが事実だしよー」
この学校の規則は『自分の尻は自分で拭う事』。
何があっても、先生は助けない、そんなルールが有る。
まぁ、虐めは別だけどね。