第3章 冒険へ行こう
おそ松「へぇ~、やっぱ慣れなきゃ駄目だよ~?」
おそ松さんは、調子の良さそうな口調で言うけど、私は心臓が壊れるんじゃないかってくらい音を立ててるのがよくわかるの。
どうもないって思ってても、ほんのり顔が熱いし……。
おそ松「顔真っ赤」
低いおそ松さんの声が耳元で囁かれ、「ヒィッ」と悲鳴をあげるものの、身体が反射的にびくついてしまう。
おそ松「ねーねー、もっとさー」
トド松「はーい、容疑者確保ー!!」
バッとドアのほうを見れば、仁王立ちしたトッティ。
後ろからやってきたお兄さん達のよって、おそ松さんから逃げることができた。
おそ松「えー、いいとこだったのによ~」
なんておそ松さんは言ってるけど、表情は物凄くにこやか。
悪戯成功した子供のように、無邪気に笑ってる。
カラ松「あまりレディを虐めるな」
おそ松「いやー、だってさー、小動物って苛めたくなんねぇ?」
カラ松「本人は嫌がってるんだ。もう少し、節度をわきまえろ」
私は、トッティに保護され、十四松さんから頭を撫でてもらいようやく気持ちが落ち着いてきた。
トド松「ごめん、もう置いてったりしないからねー!」
十四松「だいじょーぶっすかー?」
「うわぁーん、トッティー!」
トッティにぎゅぅっと抱きつくと、なんだか落ち着く。
やっぱ、持つべきものは友達だよねぇ~。
一松「――あーあ、異性だって思われてないね」
一松さんのコメントに、私は固まった。
よくよく考えれば、トッティに対してドキドキしてないけど……?
トド松「違いますー、それだけ気を許してる証拠! 変なこと聞かなくていいから」
「と、トッティ……。しょ、正直、私もわからなくなってきた」
すると、一松さんは私の方を見てにやり、と笑った。
一松「そうそう。それでいいよ。わからなくていいから」
十四松「俺、わかるよ!!」
トド松「いやいや、わかってないでしょ! トトコちゃんも、深く考えなくていいから。この前思った気持ちを、そのまま大事にして!」
そ、そのままってことは……、え、えっちした時の幸せで、トッティを抱きしめたくなったあの気持ち?
おそ松「あーあ、流されちゃ駄目だぜ~? 君、思った以上に流されやすいから~」
チョロ松「お前が言うな、糞長男!」