第6章 免許2
よこちょたちがわたしの味方をしてくれても、傍から見たら「グループやからやろ」って言われるかも知らんけど、メンバー以外にも援護してくれる人はおる。
それならたとえ噂がたっても、わたしは一人やない。
「…よぉ〜〜し…今度こそ、今度こそ、取ったるからなあ、免許!」
バッ!とよこちょから離れて、拳を突き上げると、
ゴッ!!と何かに当たった。
「イッタぁあ!何?!」
渋「何、ちゃうわアホ……」
何やらすばやんが顎をさすりながら呟いた。
「えっ?えっ?」
安「しぶやんも抱きつこうとしてたんやけど…」
丸「霄が拳突き上げたから……」
ご愁傷様、とふたりが手を合わせる。
「ご、ごめん…」
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「へぇ〜そうなんだ~」
「『へぇ〜そうなんだ〜』って……そんだけかい?」
「え?それ以外ある??」
本免不合格後の補習実技を終えたある日、事務所で仁に会った。
「それ以外いっぱいあるでしょ」
フリースペースに腰掛けてお互いの近況を話していたら、一応わたしの免許取得の企画のは観ていたらしく、その話になった。
「だってよ、もう『頑張れ』とか『霄なら出来る!』みたいな言葉はそれこそいっぱい言われてきたろ?ならそれと同じ言葉聞かせても意味なくね?俺しか言えない言葉の方が良くね?」
テーブルに肘をつき、手に顎を乗せ、しゃくれるようにして流し目でそう言ってのけた。
「……やっぱ仁かっこいいよね」
そのドヤっとするような視線を受けて、わたしはテーブルに両肘つけて、自分の頬を包み込むようにする。
「顔が、とか言うのやめろよ」
「いや、顔以前に考えがかっこえーて。それこそ顔ええっていっぱい言われてるやろ。わたしまで言うと思ったら大間違いやで。こちとらあんたよりかっこええ人ら抱えてるグループやねん」
「うっわ!!!言い切りやがった!けどそう言うのお前だけだから好きなんだよなぁ!!!」
やられたー!と言わんばかりにテーブルに突っ伏した。
「おい!仁!霄をたらしこむなや!!」
バッ!!といきなし亮が入ってきた。
「亮ちゃ~ん、終わったん~?」
亮の用事に着いてきただけやったからここで待っててん。
「終わった!飯行くど!」