第36章 君がくれる口づけは《カラ松END》
カラ松くんの唇が、わたしの鎖骨あたりを吸い上げ、ちゅ、ちゅ、と赤い花を咲かせていく。
カラ松「……俺が今までどれだけ我慢していたか、知ってるか?さくら」
「が…がまん……?」
カラ松「そう。他の兄弟たちが、さくらを掻き抱いて、さくらもそれに応えて……そんな光景を延々と見てきたんだ。さくらは……さくらは俺のものなのに」
カラ松くんの歯が、がりっとわたしの胸元を噛んだ。
「いっ……!」
あまりの痛みに、思わず声をあげる。
と、カラ松くんは、わたしの顔を覗き込み、血のついた口でにんまりと笑った。
カラ松「……だけど、これからはもうそんな思いをすることもないんだな。さくらのここも…ここも…ここだって……ぜんぶぜんぶ俺だけのものなんだ」
カラ松くんは、そう言いながら、わたしの胸、お腹、そして下腹部へと唇を滑らせていく。
尋常じゃない恐怖がこみあげてきて、身体がカタカタと震える。
この人は……もう、わたしの知っているカラ松くんじゃない。
カラ松くんは、こんな顔をしない……
こんな、狂気に満ちた顔を……鋭い光を宿した瞳を……悪魔のような笑い方をしたりしない。
……わたしが、
わたしがカラ松くんを狂わせてしまったの?
わたしのせいでカラ松くんはおかしくなってしまったの?
「カラ松くん……っ」
耐えきれず、カラ松くんの名前を呼ぶ。
お願い、カラ松くん、戻ってきて……
いつものカラ松くんに、戻って……!
カラ松「…どうしたんだ、さくら」
「わ、わたしが悪かったの……ごめんなさい……でも、わたしが好きなのはカラ松くんだから……だから……」
カラ松「だから、ここから解放してほしい、って言いたいのか?」
「うん……」
カラ松「…はは、さくらは賢いな。そんなふうに泣きそうな顔をすれば、俺がさくらの言うことを聞くって、ちゃんとわかってるんだな」
カラ松くんは、優しく微笑んで、わたしの髪の毛を撫でた。
しかし、その瞬間。