第3章 桜散る
「あ…はい。だからその、その子に話しかけられたりしても、血吸ったりしたらヤだなって…」
「あーはいはい。で、それだけ?」
「え…っと、まぁ…」
「僕は、そんな簡単に人間の血を吸ったりしないから。…あと、なんか勘違いしてるみたいだけど、僕が連絡先教えたのは、僕が吸血鬼だってこと君が知っている以上、君にいなくなられたりしたら困るから教えただけ。バラされたりしたら困るからね」
「……ごめんなさい」
「あと、期待されても困るから言っておくけど僕には彼女いるし、そういう感情一切ないから。ただ、僕の秘密がばれた以上こうするしかなかったってこと。じゃあ」
そう言って電話を切られた。
何でだろう。涙が止まらない。
桜が散ったように、私の心も散ってしまったようだった。