第9章 愛初〈 BL 初恋 未練 etc...?連載中〉
「..君たちン驚かせてごめんねン♪」
くねっ♡と腰を屈めて謝ってくるが..この男、僕たちの肩をさりげに抱いて中に招待していた。
その後ろから、「申し訳ありませんお客様...!」と結構ハンサムな、渋めの男性店員がフォローしている。
「おい...何してるんだお前は..!!前もよう...ドア開く前の、外にいた同性カップル様強引に連れてた事あったから、ドア開くまで大人しく店内で待てって言ったが..、..!」「ボク、開かれるまで待ってたよンてンちょン〜♪ンププン〜♪」
と、渋めの男性店員は何かヒソヒソと耳打ちしていた。独特な語尾の男は呑気に喋っていたが。
てんちょンって...渋めの男性の方は店長らしい。
...あまり聞き取れなかったけど、彼が店長に何を言われたのかはなんとなくわかった。
「はは、イヤちょっと驚いちゃったけど大丈夫ですよ」
この、晶の流石の適応力。さっきまで、ここに放心状態で僕と一緒に引き連れられたのに。
「本当に申し訳ありませんお客様。もしご利用の際は今回はお詫びで無料に...「ねぇねぇン!♪ボクが部屋選んであげ「いえ、私がご案内させていただきます!」
前に出ようとする異端な男を、グイグイ後ろに追いやる店長。
「....」
このおかしな男に若干不信感を募らせながらも、一応僕は軽く笑顔を作る。
「部屋は、店員さんのおすすめで大丈夫ですよ〜」
そんな僕とは裏腹に、晶は着々と予約を進める。「まぁた部屋変に改造してたりしてねぇだろうなぁ..?おい、聞いてんのかくそ新人野郎...!」
何かまたヒソヒソ耳打ちされているようだが、店長を華麗にかわして僕のすぐ横に立ってきた。
「...!」
僕は一瞬怯んで、ちょっと肩に力が入った。
その男は奇怪な笑みを浮かべて、その顔を近づけてくる。
「君さぁン..なんかボクみたいだねン♪」
ーーーえ...?
「どうしたの光くん?」
晶の言葉で我に返った。既に部屋の予約は取れたようで、僕の手を引いてくる。
彼はまだ、ニコニコと僕を見据えていた。
「い、いや..」
汗ばんだ手を引かれるがまま、僕は晶についていった。
「何でも..」
尋常じゃない発言をしたあの男のピンクの頭...それをふと、1回だけ振り返りながら..。
エレベーターに乗って、僕らはようやく一息ついていた。
