第9章 愛初〈 BL 初恋 未練 etc...?連載中〉
「どう考えても、光くんは俺のことが好きとしか思えないよ」
ビュウゥ...
夕方の風が、僕らに優しい。
ラブホテルのような建物が、僕たちの目の前にそびえ立つ。
『…でもっ!晶”は”僕をからかってるだけだろ‥』
『やっと認めるんだね。光くんかわいいから俺も好き』
『!!っ嘘をつくな‥っ!!』
その言い争いのまま、僕の手を引き連れてきた晶はここで止まった。
「え...?な、なんだいきなり..?」
「ここまでしなきゃ、俺が光くんの事好きだって認めないでしょ?」
ビュゥゥゥゥ..。もっと風が強くなる。
固まった僕を、これ以上ないくらいに甘く見つめてくる。
「...その...い、行く...?」
僕は固まった。
今の弱々しい発言は、本当に晶から発せられたものなのだろうか。
「え....?で、でも...っ」
僕は、若干後ずさりした。
「その反応...光くんってさ、まさか、その、...」
赤くなった頬を、晶はポリポリ掻く。
「俺に入れたい...側?」
その言葉に、その探るような晶の目つきに、僕は辛抱たまらなくなる。
ぎゅっと、晶の手を握り返した。
ーーーこういう時は...
「う、うん♡いっぱあい、出し入れしたいよぉ...♡晶に‥ぃ♡」
‥南頼りだ。
ぎゅうっ...と僕は瞳をつむる。
‥ごめん南、こんなお兄ちゃんで...っ!
「...ま...まじ....?じょ、冗談じゃなく...?」
ビュウウウウ‥と風がまた騒ぐ。
「.....っ」
結果、2人ともタジタジになっただけだ。
「まじなんだ、そっかぁこえぇなぁ......................いいよ...」
最後にボソッと小さく呟いた晶は、風でマッシュの髪がくしゃくしゃになっていた。彼はついに、ホテルのドアに手をかける。
その瞬間、ぎょっとしていた。
「な、なんだ...?どうした晶..?」
僕も、ドアの向こう側を覗き込んではぎょっとした。
珍妙な髪型かつ奇妙な笑顔の男が、ドアの真ん前でお辞儀を‥
どうやら…
ずっと張り付いて僕たちを待っていたらしい。
「うわぁあぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁぁッ!?」
「ーーーいらっしゃいませンッ♪♪」
仮面のような笑顔を崩さず、異様な男は顔を上げてきた。