第9章 愛初〈 BL 初恋 未練 etc...?連載中〉
「‥ちょっと来て!」
パシッと、僕の両腕を晶は掴む。「‥っ!」
ビク!と極度に体を震わせて驚き、目を見開く。
だけど晶は、僕の目だけを捉えていたので気づかない。この微かな震えと僕の耳の赤さに。
そのまま晶は、部屋の電気の近くまで足を運ぶ。
「晶っ…?!」
さらっ‥と、僕の前髪が眉間の間で揺れる。
さっきまであんなに痛かったのに、その痛みさえ忘れる程僕は胸が苦しくなった。両腕に感じた、あの晶の感触…。
心の激しい揺れが表に現れたのか、僕の前髪は揺れ続ける。
「あきっ…」
僕は、…やがてうつむいた。明るいところで、僕の目の様子を見ようとしてくれてる晶の背中も、最早見れないまま。
心配をかけてしまったという罪悪感も強いが、それ以上に勝るのは彼への恋慕の感情だった。
部屋の中心、電気の下に止まって晶は僕を振り向く。そして…
「晶‥強引に開くなっ」
「でも、さっきものすごく痛そうだったよ‥?早く俺に見せて」
晶は僕の目の痛みの要因を、夢中になって探ろうとする。そこまで必死になってくれる晶に、僕は動揺していた。
「っ‥ごめん、晶、目を開いたら‥」
晶は一旦、僕の話を聞いてくれようとして手を止める。
「余計、痛いし‥」
「…………………」
晶の性格を考えたら、ここで無理やりにでもこじ開けそうだったけど、でも僕の言葉を信じてくれたのだろう。だから、僕の言う通り完全に手を止めてくれた。
「‥‥光くんさ、」
「うん…‥」
「‥‥」
不意に、くしゃくしゃっと、晶は僕の頭を撫でた。とても動揺したが、だけど心地よさもすごく感じる。
「晶っ‥っ」
「光くんにさ、あんまり一人で抱え込まないでよって俺が言っても無駄なのかもしれないけどさ」
晶は真剣に僕の顔を捉える。しかし、その言葉を晶が言ってくれた時点で全く無駄ではない。
「あんまり、物事を深く考えすぎない方がいいよ‥‥光くん。俺にもっと曝け出してよ。」
僕は、晶が触れた前髪に手を置いた。
ーーー本人の前で、さっき本人が触れたばかりの場所に触れるなんて‥
ため息が出る想いだった。しかし僕はこの時晶に惚れ直し、完全に心を開いていたのだ。
だけど、痛みが戻ってきた目を隠すために、僕は前髪に触れたのだ。
ーーーそうだ、僕はまだ隠さなければいけない‥
