第9章 愛初〈 BL 初恋 未練 etc...?連載中〉
初恋の男は、もっとキョトンとした。
ーーー知ってたよ..知ってた...!!
顔が熱くなっていくのを感じる。
「あの...い、いや...冗談...、で....、今の....は.......」
フラフラする想いで頭を抑えたら、初恋の男は「ふはっ」と僕の顔を覗き込む。
「おもしろ、光くんすごいね」
道化を演じきれず、ついに僕は顔をそらした。
ーーーおもしろ。
脳内で、言葉が反芻する。
「冗談でも、やぁんとか言うタイプなんだー意外」
どんどんと恥ずかしさが襲ってくる。
ーーーうぅう南!次の一手が分からないぞ僕は...ッ!僕の思うあざといっていうのがこういうイメージしかないからわからない!
「そうだ光くんさー、俺の名前は知ってるよね?」
本気で僕を面白がり始めたらしい。
「え、勿論...」
一旦、僕は息を吸い込む。
そして口を開いた。
「高橋晶(あきら)...だろ?」
...それからというもの。
「おはよう光くん!」
晶が手を上げて、校門に颯爽と現れる。
「お、おはよう...晶..。というか、もうくん付けしなくてもいいよ..僕は晶呼びなのに」
短期間で急速に距離を縮めた僕たちは、あっという間にいつも一緒にいる間柄となった。
「えー光くん呼びが心地いいんだよね俺は」
「なんだそれ...」
例えば、
移動教室の最中とか。晶の手に僕の手が触れてしまいそうになって、気づかないふりして何度上手く避けてきた事か。
「〜〜それでさー光くん、その幼馴染の女の子と疎遠になっちゃってね」
そして僕たちはいつの間にか、深い雑談をするようにもなっていた。
「ふうん...ほんとうは、少し好きだったんじゃないの?その女の子の事が」
すると、晶はこちらを振り返って軽く笑ってみせた。
「妙な事言わないで!って言いたかったけど...たしかにそうかもね」
窓際に寄って、晶は空を見上げた。
「彼女目線、俺とはワンチャンあるかな?でもナシより、みたいに思ってたんだよきっと」
「..ふぅん?」
僕の肩をポンと叩き、晶は自分の席へと去った。
そんな晶の背中を、僕は見つめ続けてた。
そんな僕の視線に気づいた、晶に気づかずに...。
ーーーやっぱり...晶の恋愛対象は女性だよな...でも僕...やっばり...晶とは友達以上の関係になりたい...
