第52章 ケーキ
「この子が生まれた後も、気にしないで頼ってもらえる?」
『…え』
「名前ちゃんと私達の血は繋がってないし、遠慮してるところがあるのも分かってるつもり
それが悪いことだとは私達は思ってない」
『お母さん』
「雨さんにも話したの。この子と名前ちゃんで育て方は変えないって、だからやりたいことがあるなら目一杯やってほしい
院に行きたいとかまた留学に行きたいとか、赤司君と大豪邸に住みたいとか、あるなら全部言ってほしい」
『…大豪邸は、いいです』
「大豪邸は冗談!でもこの子にも名前ちゃんにも不必要な我慢はさせたくないって思ってる」
「弟が出来たからって遠慮しないでほしい
もし征十郎君と上手くいかないことがあればいつでも帰ってきてくれて構わないよ」
いつの間にか現れた雨が苗字の頭を優しく撫でる
その手に愛情を感じ涙腺が緩むのを感じて目を擦ろうとすると、目の前の女性にふんわりと包まれ、抱きしめられていた
「まだ出会ってから…名前ちゃんの人生の半分ちょっとの付き合いだけど、これからもお母さんで居させてくれる?」
『…あたしも、お母さんの子供で居たいです』
「ほんと!?もし征十郎君と結婚するなら、結婚式出ていい?」
『もちろん。出てください』
「何なら私が名前ちゃんと一緒にバージンロード歩きたい!」
「僕も歩きたいから間に挟んで3人で歩けばいいんじゃないかな?」
「ブーケトスも私が欲しい…」
「目立つよ雪」
『…まだ結婚式は決まってないんですけどね』
気が早いなと笑っていると雨も後ろから抱きしめてくる
いつまでお世話になろうかと悩んでいたのを知られていたんだろうかと2人に包まれていることに幸せを感じながら、彼女は血のつながらない弟に「無事に生まれてくるんだよ」と心の中で声を掛けた