第41章 練習試合
自主練習も出来るほどの余裕が出来るようになり、入学して初めての練習試合がやって来た
相手校が帝光に来てくれることになっているため移動の必要はなく、2軍3軍の1.2年生も応援のため駆りだされているらしい
今後帯同に選ばれる可能性があると苗字も先輩のマネージャーから帯同が何をするか教えられ、ドリンクを作っているところに誰かが近づいてくる
「オレもここでドリンク作っていい?」
『…どうぞ』
「サンキュー!」
唐突に現れた相手校の人物に苗字が一瞬驚いた表情を見せたが、相手は気にせずにドリンクを作りながら話始める
「つーかため口で話しちゃってるけどセンパイかもしれねえっすよね!すんません!」
『いや、1年生なんで…ため口で』
「マジ?!オレも1年!ウチマネージャーいないからさー、1年がこういう準備やんだよねー」
『…大変ですね』
「ちょっと今タメって分かったじゃん!ため口でいいから!何なら和成って呼んで!」
『…カズナリ』
今までにない距離の詰め方をされている苗字が思わず棒読みになり、容器から水が溢れ出す
そんな動揺している様子を高尾が「ちょ!水溢れてる!やばいって!」と笑いながら蛇口を捻り水を止めた
今回の練習試合は記憶にはなく、高尾が持ち前のコミュニケーション能力で先輩および顧問に「帝光に過去異例の1年生の1軍が入ったらしい」と言い、その気にさせ練習試合を提案させることに成功し
帝光も未来の主将2人が上手く根回しすることで今回の帝光対高尾のいる中学の練習試合が組むことが出来た