第33章 やるならみんなで
「赤司、オレたちも苗字と関わりがある場所は探すつもりだ。少しは休むのだよ」
「…本当に落ち着かないんだ。帝光も誠凛でも見つからなかったから、どうしようかと思ってね」
弱音を吐く赤司が珍しいと驚いた高尾の目が大きく見開かれる
そう驚く半面やはり彼も人間なんだなという考えが浮かぶ。サイボーグだともロボットだとも思ったことはないが
そんな落ち込んでいる彼の肩を組む。昔だったらこんなこと出来なかっただろうなと思いながら笑った
「名前ちゃんもすぐ見つかると思うっつってたろ、心配すんなよ
つーかオレらにもどこ行けとか指示しろ!行くから!」
「高尾の言う通りだ。中学の頃苗字も言われていただろう。頼るべきなのだよ」
確かに彼女は1人で突っ走るところはあった。自分の親と対峙し、虹村と裏で何かをし、手伝うと言っているのに生徒会の仕事を1人でこなし、なんの相談もなしに監督になっていて、全中の準決勝では黒子を助けるために殴られに行った
周りから自分も同じように思われているのかと、高尾に肩を組まれたままの赤司が少し間を置いて当時を懐かしむようにふっとに笑う
「そうだね、そんなことたくさんあったな」
「何?名前ちゃんそんなことあっただ。つーかほんとだよ赤司!頼れっつの!」
「…助かるよ。お言葉に甘えて行ってもらおうかな」
「おう!どんどんここ行けって送って来い!」
「オレはウィンターカップの予選会場に行こうと考えていたのだよ。他にもあれば言ってくれ」
「あー、真ちゃんが思い出した場所な
なら誠凛と被った合宿で泊まった場所と体育館もいこーぜ。ついでにインターハイの会場も見に行きゃいいだろ」
「それなら黄瀬も連れ行ってもらえるかな、あそこで記憶を思い出したはずだ」
「黄瀬クンと一緒か!楽しそーじゃん!」
「…うるさそうなのだよ」
嫌そうに緑間が眉間に皺をよせ歩き出す
彼らは歩きながらあとどこに行ってないか候補を上げていき、グループに行ってほしい場所を上げていく
その後京都へ向かう赤司を送り出したが、翌日彼から「いなかったよ」というメッセージと共に誰がどこに行くかというやり取りが始まった