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【イケメン戦国】私と猫と

第25章 桜の咲く頃  二幕(六歳)


『ちいさなうさぎがおりました おおきなおおかみおりました
なかよし二匹は かくれんぼう
ながーいおみみは みつかるかい
おおきなしっぽは でてないかい
かくして かくして みつからないよう
かくして かくして なかよしにひき』

幼い湖が歌う歌

「湖様、どこで覚えられたんですか?」
「…あれ?どこかな??なんとなく、でてきたの。そういえば、ゆきむらね!おおかみさんのおともだちいるんだよー!しんげんさまは、くまさんのおともだちいるの!みつなりさま、みた?」
「そうなんですね。それは、一度拝見したいところです…ところで、湖様」
「うん?」

三成が歩みを止め湖と同じ目線に腰を屈めた
湖は、なあに?と三成を見ている

「その…私の事を呼ぶときに「様」を止めませんか?」
「…みつなり…さん?」
「いいえ」
「みつなり?」
「…いいえ」
「…じゃぁ…みつなり…くん」

三成の目がふっと細まる

「…みつなりくん…」
「はい、湖様」
「みつなりくん」
「はい」

えへへと、湖が照れ笑いを見せ…

「なんだか、ちょっとはずかしい」

と、頬を染めた

「私は、嬉しいです」
「…?みつなりくん、うれしいの?」
「ええ」

「そうなんだ」と湖は、少し考えて…「なら、いいか」と気恥ずかしさが少し薄らいだように笑った

「じゃあ、みつなりくん。さっそくですが、おうまさん、おしえてください」
「お任せください。湖様」
「…でも、みつなりくんを「くん」なのに、わたしは「さま」なの?湖が、いいよ」
「いいのです。私は、湖様とお呼びしたいので…だめでしょうか?」

下がる眉、幼い子どもでもこの顔に弱いらしい
湖は言葉に詰まると…「…いいけど」とだけ答え返した




城に戻れば、さっそく馬の練習が始まる
湖に用意されたのは、栗色の毛並みの美しい牝馬だった
少し体つきが小さいその馬は、湖にちょうどいいと言ってもいい

「わぁ…かわいいおうまさん!」
「さようでございましょう。この馬は謙信様から湖様への贈り物でございます」
「けんしんさまから?」
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