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【イケメン戦国】私と猫と

第25章 桜の咲く頃  二幕(六歳)


「にーさま!」

バタバタと駆ける音が聞こえれば…
しゅっ、タン!と、それはそれは、兼続が襖を開ける様子と瓜二つな開け方で開けられた襖

(…なんだか、兼続さんに似てきている気が否めない…)

「湖ね、気をつけるよ!とじこめられないように、はだかんぼうになるの、みられないように、しっかり気をつける!」
「ん…うん…そうだね…」
(なんだ?何があった?)

佐助は、良いことだと聞いて想いながらも、つい先ほどの全く気にした様子もない湖とそれを比較して首を傾げる

「だから、にーさまも、だめだとおもったら湖にいってね!」
「了解…ところで、誰に何をいわれたの?湖さん」
「あのね!みつなりさまが、おしえてくれたの。はだかんぼうでみられたら、わるいひとにさらわれて、たからものばこに、しまわれるって。そんなのやだもん」

(なるほど。三成さんか)

「そうだね。気をつけた方がいいね」
「でもね、湖おもうの。かかさまと、にーさまと、ととさまならへいきよね?」
「…かかさまはいいけど、ととさまと、俺は気をつけてくれると嬉しい」
「なんで??」

べちょ…と、音を立てるかのように
佐助の持っていた筆は、書き止まっていた設計図に落ちる

(あぁ…やり直しだな…)

「なんでも…です」

(この小さい湖さんは、俺に取っては妹…なんだろう…こうゆうのが、振り回されるって事なんだろうか…)

「湖、此処に居たか…」

開けられたままの襖から現われたのは、信玄と幸村だ

「信玄様、幸村…?」
「ととさま?」
(あれ…?なんか、ととさま…)

信玄は、いつものにこやかな笑みではない
なにやら真剣な目つきでこちらを見ていた

「入るな」

信玄が部屋に入ると、幸村も続き、そして襖を閉じる

「信玄様、どうされたんですか?」

佐助もその様子に、信玄に問いかける
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